アドバイスの前に、師匠とはどんな存在なのか説明しておきましょう。
     そそそれは、一言でいってしまえば・・・・・”おれっちのオヤジ” であります。
 が、それがタダモンじゃないのです。師匠は、春山も秋山も経験が豊富で(山に住んでいたのだから当たり前か)自然と共に生きる知恵を持っているのです。それに、自分が言うのもなんですが・・・”たかがキノコぐらいに何故そんなに執念を燃やすの?”と思うくらい”山根性”がすごいのです。(”山根性” とはちょっとやそっとの事ではあきらめない男の意地 又は、他人には採らせるものか!と言うヨクバリみたいな意味)
私はそんなオヤジに育てられた訳ですから ”ちょっとだけいっしょに山へ行ってみようかなあ?” な感じで御供しようもんなら、いつのまにか楽しみが苦しみに変ってしまいす。
 中学生の頃いっしょに山へ行った時、父はうす暗くなってもなかなか帰ろうとせずどんどん山の奥へ向かって行くのです。 ”このままオレをここに置き去りにして行くのでは!!?” とマジに ”泣き” が入った思い出があるぐらいです。 
 てな訳でそんな師匠からナキベソをかきながら(ちょっと大げさかナ?)教わった数々を披露したいと思います。     
2001年春 カンタケ採り 山頂にて

きのこは南向きや東向きのそれなりに日当たりの良い場所に良く出る。

 これは基本中の基本。でも、山に入ってどちらが何向きだなんて、さっぱりわからない方向おんちの自分にとってはなかなかのアドバイス。
 最近はお日様がどちらから登って来たから ”**向き” とわかる様になって来たし、やっぱり湿っぽい所に出そうなきのこでも、ある程度 日が当らなければハズレも多いことがわあかりました。

きのこは雪で倒れた木には出るが台風で倒れた木には出ない

 と、初め教えてもらいましたが、そんなのわかるはずがないネ〜。木が倒れた時その場に居て見ていたの!?って聞きたいぐらい。 
 で、なんでそんな事わかるの?ってよーく聞いてみたら、倒木に葉っぱが着いているのは台風で倒れたもの。そして着いていないのが雪だそうです。
 つづいて、きのこと言うものは栽培ものでも同じであるが、水分を多く含んでいる時期に倒れた木には出ないそうです。逆に秋から冬にかけての、水分の吸っていないものが良く出るそうです。
(あっそうか。だから栽培きのこをつくる時、雪が降る頃木を伐採したんだぁ〜。と、わかりました。)

これだけは常に持って行け

 山ではいつどんなハプニングが起きるかわからないからこれだけは持って行け。 と言う訳。(実はあの師匠、数年前に山で遭難してしまい警察沙汰になった事がある。 ヘヘヘ) で、それは何かと言うと ”のこぎり” ”ライター” ”塩” だそうです。これだけあればもしかの場合も生き延びられるって。経験者の言うことはとっても説得力がありますなぁ。
 ところで”のこぎり”は何の為?と思うでしょう。ナイフの方が便利な気がしますが、ところがのこぎりは太い木でも簡単に切る事ができ、いろいろと便利!
 初心者の私はその他にもナイフ、カットバン、ティッシュ等も常に持っていくよ。

マイタケを見つけたら、採る前に注意せよ!!

 マイタケを見つけたら、喜んで直ぐに手を出したらあかん。マイタケは木の根元に発生し易く、そこにはマムシが居る可能性が高いとの事。
 だから、まずは直ぐに手を出さずに、付近の小枝を折ってそれをマイタケの根元にグサグサと刺してみる。もしマムシが中に潜んでいれば ”こんにちは” と顔をだしてくれるって訳。
 自分も初めはそんな事しらなかったので、”ラッキー” とばかりに直ぐ手を出していましたが、話を聞いて ”なるほど” と思いました。
 遠い山へ行って、もしマムシにパクリやられたら戻って来れなくなるかも・・・
  なかなかのアドバイスでした。
ミズナラの大木の根元に出ているマイタケ

おにぎりは、ひとつ残しておけ

 これは、師匠夫人がいつも言っている言葉。私が方向おんちだと言う事を、誰よりも知っているからこそ。
(ちなみに方向おんちは母ゆずりです) 
 でも、山登りを経験している人ならわかると思いますが、腹がへっている時って ”力” 出ないっすよね。
やっぱり、もしかの事を考えれば  その通り! です。
師匠の知恵袋編