そして動けなくなったところで首をつかんで持ち上げます。
この時注意しなければならない事は首の下の方をつかんでしまうとマムちゃんも必死なので首をくるっとまわして指先をガブッとやられてしまうので充分気をつけてください。(師匠の友人でこんな失敗をおかして1週間入院した人がいますから)
ついに見つけました!マムシのマムちゃん。
私のまわりにはヘビが兎に角イヤで山に行くのが嫌いという人がいますが、そう言う人は山へきのこ採りに行くのではなくヘビ探しに行っている様なもので、私の場合はヘビのヘの字も頭の中にはないので今まで山で見たのは2回しかありません。 マムシにはまだ1回も・・・
山へ行けばマムシとばったりお会いする機会がないとは言えないので、前々から師匠には捕まえ方を聞いていました。
でも聞いただけで実行するのは小心者の私にはちょっと不安なので、できれば師匠と一緒に行った時に見つけてその手順を教えてもらえたらいいなぁと思っていました。
この日はゼンマイ目の他に多少マムシ目にもなっていたのでしょう、初めてマムちゃんを目撃しました。
”じいちゃん! マムシ!!!”
すぐさまリュックからカメラを取り出してビシバシ撮りまくりました。
マムシを発見してから頂きまーすまでその手順を紹介しましょう。
身体は小さいマムシ小僧を発見
木の枝でマムシの首筋を押さえ込む師匠
マムシは普通のヘビとは違って、地面がジメジメしていたり草がボウボウ生えていたりしている場所にはいなくて、山でも比較的きれいな所に住んでいるとの事。 何をち迷ったのかこのマムシ小僧は杉の落ち葉がいっぱいの汚らしい所で見つけました。???
すぐさま師匠は辺りの小枝をつかみ小僧めがけてぶつけました。
これはとても大切な事で、何でもいいからそこら辺の物をぶつけます。そうするとマムシはコブラの様に頭を持ち上げて敵を威嚇します。しかし頭を持ち上げたマムシはコブラとは違って噛み付いてきたりしませんから、こうなったら安心! その後はゆっくりと捕まえる準備をします。
まずは手ごろな長さの枝を折ってきて、枝の先に股を作ります。(Yの字の枝をつくる)
そしてその枝で頭をビシッと叩きます。(強そうに見えて意外と情けないヤツです。) 今度は失神しているマムシの首元を(どこからどこまでが首なのかは本人に聞いてみないとはっきりはわからないのですが・・・) 先ほど作った枝の股でギュッと押さえ込みます。
こうなったらもう逃げられい!
つづいて今度は皮をむきます。
首ののど仏辺り(そんなの有るのか!!??)の皮は柔らかいので爪で簡単に切れます。
その皮をつかんだらしっぽの方へググッとむきます。
スッポンポンになった小僧。でもまだ毒は持っているので気が抜けない。
皮をむいたら次はハラワタを取ります。
食道の辺りからつかんで下の方へ引っ張ります。
普通この時、トキトキ動いているのが心臓で、その下に胃袋があってそれを生のまま飲み込むそうなのです。(胃薬になる)
でも現在は昔と違ってドラックも発達していて胃薬もたくさん有るので実演はしてもらえませんでした。
無残に捨てられた小僧の一帳羅。
最後に指でギュッと頭をもぎ取ります。この時も毒に注意!
頭を取られ裸になったマムシは生臭いのでその辺の木の葉で包みビニール袋に入れられました。
どうだったでしょう!? 生々しいマムシの捕獲劇。
実に残酷ではありましたが食べ物が無かった昔の人達にはマムシはなによりのご馳走だったに違いありません。
そんな時代を生き抜いて来たオヤジにとっては、かわいそうなんて思う前に ”食べたい!”と しかなかったと思います。
そんなオヤジからマムシの捕まえ方を教わり、昔の生活や自然に生きる知恵を知る事が出来ました。
ちなみに、頭を持ち上げたマムシは何日でもその場で威嚇しているらしく、知らない人が偶然それを踏みつけたりすればガブッとやられてしまうので、必ず捕まえて来い! と師匠は言っています。
家に帰ってマムシのクシ焼き。 いただきまーす! 元気はつらつ!!